Saab 95 (1960-77)
93をベースにしたステーションワゴンとして登場。
ドアまでは93と同じであったが、後半は僅かに下がった直線的なウェストライン、テールフィンや2つ並んだ平行四辺形のサイドウィンドウなど特徴的なデザインである。
ボディ剛性を意識して3ドアの設定しかなかったが、後ろ向きサードシートを備えた2-3-2配列の7人乗りで極めて合理的なユーティリティを持っていたことも特長の1つである。
93からの変更点はエンジン、駆動系にも見られる。
エンジンはボアアップされφ70.0×72.9mm、841ccとなる。ギアボックスはオプションではあるが4速が設定された。
61年モデルからは、今や多くのクルマに採用されているクロスタイプのツインサーキットブレーキシステムを世界で始めて採用し、先進性を示した。
フロントマスクは93譲りでラリーでの活躍が頭に焼きついている、いわゆる"ブルノーズ"であったが、65年モデルからいわゆる"ロングノーズ"に変更された。フロントオーバーハングを150mm延長し、ラジエーターがエンジンの前に移されている。
そして、67年モデルからパワートレインの大幅な変更がなされる。
世の中の流れに乗った2ストロークから4ストロークへの転換である。
ドイツフォード製V4エンジン(1498cc、φ90×58.86mm、65hp、12.0kg-m)へ換装された。同時にフロントブレーキがディスクへと変更された。
その後、内外装の変更を受けながら77年モデルまで販売された。